情報収集のポイント
賃貸物件を探そう! と思い立ったときに、
3つの情報源 「不動産情報誌」・「不動産のウェブサイト」・「不動産会社への訪問」 が思い浮かぶと思います。
Q.いったい、どれを使うといいと思いますか?
A.まず言っておきたいのが、これは「どれを選ぶか」という問題ではないということです。
下記に詳しく記しますが「情報誌でテンションを高め、ウェブサイトで不動産会社を絞込み、不動産会社へ訪問して決める」という流れの中で、それぞれのツールを利用してゆく、というのがもっとも実践的で効率の良い方法なのです。
以下に、それぞれの方法の特徴と、どのように利用してゆくのかについて記してゆきます。
■不動産情報誌
メリット
・入手しやすい。低価格/または安く、コンビニや本屋などで入手することができる。
・持ち帰って一人で、または信頼できる人と共に、じっくりと検討することが出来る。
・引越しについての豆知識、引越しチェックリストなど、物件が決まったあとの手続きの情報にも軽く触れられているので、読んで基本知識を整理し、引越しの流れを把握しておき、また使えるものは切り取っておいて利用すると便利。
デメリット
・これだけで住む物件を決められるわけではない。情報誌に載っている物件は、希望の地域の様子を知るサンプルと考えるべし。
・基本的に自分の住んでいる地方の情報であるため、他の地方に引っ越す場合は利用できない。
-------------------------------------------
不動産情報誌は、町の不動産屋の入り口、コンビニエンスストア、駅前や駅の通路・書店などで、無料の情報誌として置いてあるものや、低価格ながら書店やコンビニ等で購入するものの、2種類がありますが、内容はそう変わりません。
物件の情報誌で手に入る情報は「掲載されている物件に住むためのもの」とは思わないのが正しい使い方です。
まず、巻頭や巻末に、電車の路線図が掲載されていることが多いので、それを良く眺めてください。
物件の位置は、基本的に「駅から何分」という言い方で表現されますので、自分の希望する町やエリアの駅はここだと見当をつけ、その駅と、その周囲の駅をキーワードにして辞書のように情報誌をめくり「自分が希望する物件」があるかどうかを、ざっとチェックしてみてください。
そうすると、駅ごとに特徴が見えてくると思います。
思っていたより高い⇔安い。
駅の近くには物件が少ない⇔駅に近い物件が多い。
「駅まではバスで、バス停から何分」という物件が多い。
一人暮らし用が多い⇔ファミリー向けが多い
などの感想がでてくると思います。
高い理由:部屋が広い、都心部である、高級住宅地である、駅から近い、人気のある住宅地である、駅が人気の路線にある、駅に急行が止まる。
安い理由:部屋が狭い、部屋が極端に古い、都心から離れている、特別に人気のある住宅地ではない、駅から遠い、人気路線ではない、急行が止まらない。
物件が多い理由:住宅地である、マンションやアパートなどの集合住宅が多い地域である、大学や専門学校が近くにある。
物件が少ない理由:繁華街であり住宅地ではない、戸建の家が主流の住宅街で、賃貸物件は少ない。
このようなセオリーに基づいて、自分の住みたいタイプの部屋が、自分の希望額の家賃で住めそうな町を絞り込んでみてください。
基本的にこの段階では「この」部屋に住みたい、などとは考えないのが良策です。
間取り図や写真でみるのと実際の物件は天と地ほど差がありますから、必ず、最終的に物件を決めるのは現場を見てからということになります。
雑誌は、駅ごとの物件の分布や傾向の情報を得るところであり、部屋探しや引越しへのテンションを高めるために読むものと考えて利用しましょう。
■不動産会社のホームページ
メリット
・こだわり条件が多い人にとっては、条件にあう物件を検索しやすい。
・自分が住んでいる地方以外の情報も調べられる。
デメリット
・インターネットでの検索は、パソコンに慣れていないと億劫に感じる。
インターネットでの部屋探しも、物件情報誌での探し方と変わりません。
ただ、パソコンで調べることが沢山あり、パソコンで地図まで見ていると混乱してきますので、手元に紙の路線図と地図を置いておくと便利です。
まず、なるべく沢山の物件が載っている物件検索サイトを見つけてください。国内の多くの不動産会社の物件情報が一覧できるようなサイトがありますので、まずそういうサイト、次に、全国ネットを持っている大手チェーンの不動産会社の物件情報サイト。この2種類で探し始めるのが基本です。絞り込むことが目的ですから、絞り込む対象が少なすぎると目的が果たせないからです。
-------------------------------------------
路線、駅、地域で物件を絞込み、次に、譲れないこだわり条件で絞り込んでみましょう。
また逆に、譲れないこだわり条件を設定して、その検索結果の中から路線、駅を絞り込んでみましょう。
条件を広げたり、狭めたり、調節してみましょう。やや広めに条件を絞り、そこからこれはいい、これはイマイチ、と自分で確かめていく状態にするのがコツです。
そうして、絞り込まれた物件で条件に合うものは詳細を表示させ、1つづつチェックしていくと、ある情報が目に留まり始めます。
詳細情報の最後のほうに記載されていることが多い「その物件を直接取り扱っている不動産屋の名前」です。
大手不動産チェーンの支店かもしれませんし、そうではない単独の不動産屋さんの名前かもしれません。
特に「絶対にゆずれないこだわり条件」をもつ人が検索するとき「その条件に強い不動産会社」というものがあるなぁ、ということに気づき始めると思います。
自分の希望に合う物件を多く抱える不動産屋さんを何件かチェックしておけば、実際に物件を見て探し始めるときに、その不動産会社へ行けば、希望する物件に「沢山」出会える率が、かなり高くなります。この、希望する物件の選択肢が多い、というのが部屋選びで非常に大事なことです。
どういう仕組みかというと、不動産会社は家主さんから物件を預かるときに、その物件にお客さんがつくためのアドバイスをするわけです。特に部屋が古い物件、駅から遠い物件の場合、やはり人気がなくなりますから、不動産会社は家主さんに、
・ペット飼育可の物件にしてみては?
・築年数は古いが、リフォームとかリノベーションをしては?
・家賃を下げてみてはどうですか?
・エアコンとか、インターネット、インターホンをつけてみるのは?
などとアドバイスをするわけです。そのときに、リフォームを薦める不動産屋さんだったら「築年数は古いが、内部は綺麗にリフォームされている物件が多い」不動産屋さんということになりますし、ペット可物件を薦める不動産屋さんだったら「築年数は古くても、ペット飼育可能物件を沢山持っている」不動産屋さんということになります。
これは本当に、その不動産屋の方針によって差が出ますから、適当な駅前の不動産屋さんに飛び込んで「このへんにそんな物件はありませんよ」などと言われる前に、インターネットで「どの不動産屋を訪ねるか」を絞り込んでおくことは、特に、こだわり条件をもっている人にとっては必須と言いたいくらいの作業です。
また、遠方に引っ越さなければならない方にとっても、この事前のリサーチは大事です。
「引越し先で良い物件を吟味するには泊り込みで2、3日かかる」なんて思っていませんか?
私はペットを飼っていて、遠方の地方都市に引っ越すということを、数回経験していますが、この「ネットで不動産屋リサーチ」作戦のおかげで、毎回「今回の部屋は最高!安くて、広くて、条件にもぴったり」と思える部屋を、「新幹線・日帰り1日コース」でさくっと決定することができています。
また、めぼしい不動産屋が見つかったら、その不動産屋の直営ホームページを探して、どのようなお店かチェックしておくのが良いと思います。そして、メールか電話で、訪問する日と希望の条件を伝えて、なるべく沢山の物件を見たいのでいくつか探しておいてくれるようにと、予約するのが良いでしょう。これで準備は完璧です。
■不動産会社への訪問
メリット
・物件を実際に見ることが出来る。
・そのときにたまたまあった掘り出し物の物件に出会う可能性がある。
デメリット
・事前準備がないと「このあたりにそんな物件はない」などと言われて、向こうが持て余しているような物件を押し付けられてしまうかもしれない(その不動産屋にないだけで、このあたりに無いかはわかりません。)
・明確なビジョンがないと、不動産屋のオススメを押し付けられてずるずると契約させられてしまうかもしれない。
不動産屋を訪ねるのは最後のステップです。ここに来る前に、出来るだけのリサーチをしておくべきです。
そして、不動産屋には、できるだけ不動産屋が空いている時間に行きましょう。店員さんは、お客さん一組一組に、直接物件を見せるために付き添ってくれますので、混んでいるときに飛び込みで行くと、待たされ、探してくれず、少ししか見せてもらえずということにもなりかねません。休日に行く場合や、3月の引越しシーズンなどはもちろん、予約してから行くべきでしょう。
行くときの態度や服装にも気を配りましょう。不動産屋さんは、その人に合った物件を紹介してくれようと努力してくれます。学生だったら学生のよく住んでいる部屋、女性だったら環境のよさそうな部屋など。また、家主さんに「女性で、しっかりしていそうな子」とか「学生さんで、まじめそうな子」とか「職業などは問いませんが、とにかく生活態度が良さそうな、しっかりした人」とか言われている場合があります。その条件に合った人だなと思うと、「実はこの部屋は、家主さんから、特にちゃんとした人をと言われていまして……でもあなたなら」などと、秘蔵の蔵出し物件を紹介してくれたりするのです。
-------------------------------------------
まずは、紙を渡されて、希望する条件をチェックさせるお店が多いです。しかし、これを書いて渡して終わりではなく、一歩踏み込んで、部屋探しに自分がどんな意思をもっているかをお店の人に示すことも大切です。私がオススメするのは、
「これくらい以下の家賃で、条件に合っているものを。チェックは沢山してありますが、本当に譲れない条件はコレ。かなり古くても構いませんので、できるだけたくさん見たいんです!」
とまず言うこと。これをハッキリ言わないままだと、不動産屋さんは「相場どおりの家賃の、適当に新しめの部屋」を数件だけ紹介してくれることが多いです。それは、部屋を探す人について、基本的に「お客さんは家賃は相場どおりで設備は一通り、できるだけ綺麗で新し目の物件を求めている」と、みなすからです。
これでは、古めだけど自分なりの妥協点が見出せたり、住みたくなるような面白いところがあったり、家賃が相場より安かったりする「掘り出し物」の物件が、候補から外されてしまっている状態なのです。もし最終的に綺麗で新し目の物件を選んだとしても、最初の選択肢は出来るだけ多いほうが、確実にいいです。最初に提示された部屋が1、2件でしたら、もっと色々見たいと言いましょう。取り扱っている全ての物件をファイリングしてあるものを出してきてくれるはずです。
そして、できれば多めに5件くらい絞り込んで、これらの部屋を実際に見せてください、とお願いすることになります。
部屋の間取り図や条件を見て「この部屋がいちばんいいな」とめぼしをつけた部屋が、この段階で、あなたにはあることと思われます。しかしそれだけを見に行くつもりで行くのは愚にもつかない行為であると、ここで念を押しておきます。部屋は、隣の家との距離、近所の雰囲気、見た目の印象、内装、床の厚さ、コンセントの数や位置など、見なければわからないことだらけです。
部屋を見せてもらっているときは「これくらい日当たりがいいと嬉しい」とか「この収納は狭すぎる」とか「壁が薄そうで困る」とか、思ったことを口に出してお店の人に伝えるようにします。お店の人は、しだいにあなたが求める部屋のニュアンスがわかってきますので、それを求めているのならばと、自分のお店だけではなく、よそのお店に電話をして物件を探してもらってくれたり、そのときは予定に入っていなかった部屋を、この部屋はどうでしょうかと、見せてくれたりする場合もあります。
また、明らかに雰囲気が、これはどうかな?やばくないか? って自分の心に感じられた部屋は避けたほうがいいです。
たとえば、行ってみたら外階段がやけにじめじめしていて薄気味悪い、とか、なんか妙に部屋が暗く感じる、とか、気分的な問題の部分です。部屋は、ほかならぬ自分が毎日住むところです。初めて訪れた見知らぬ部屋に対してさえそんな印象を持ったのですから、毎日暮らしていく上でそのことが気にならないはずがありません。他の条件が良かったとしても、ちょっと違うなと思った場合は絶対に自分の直感に従うべきです。きっと他にいい部屋は見つかります。
-------------------------------------------
次に、いい感じの部屋が見つかったときの対応です。
これは決定の選択肢に入れていいかも、と思える部屋だった場合、軽く、第二段階のチェックをしておきましょう。
まず、コンセントの位置。台所のコンセントの位置で、どこに冷蔵庫を置くかが決まってしまいます。また、炊飯器やポットにとどまらず、ハンドミキサーなど調理小物でも電気を使うことがありますので、流し台の周りにコンセントはあるかどうか。また居室部分では、1部屋にコンセントが何箇所あるか確認します。近年の部屋はたいてい部屋の両側に2箇所ついています。しかし古い物件だと1部屋に1箇所のこともあります。私の経験だと、1部屋に1箇所だとコンセントが少ないなぁと不便を感じるようになります。エアコンをつける位置にコンセントはついていますか? ついていなければ下まで電源コードを伸ばして使うことになるか、電気工事をするかの問題が生じます。
テレビのアンテナ線はどの部屋にありますか? 基本的にはその部屋がリビングルーム、居間ということになります。集合住宅では、鏡のように左右が逆になった間取りの部屋がお隣の部屋ということが多いです。これは、水回りの設計上の問題だけではなく、生活環境を似たものにして、無用な騒音トラブルを避けるためでもあります。これを無視して、隣の人がリビングに使っているはずの部屋にベッドを置いたり、逆に、寝室だとされている部屋にTVを置いたりして使うと、隣のTVや話し声の音がうるさくて眠れないだとか、普通の音量で使っているつもりだったのにTVがうるさいとトラブルになったりしますので、注意して下さい。よっぽど分譲マンションタイプで防音がしっかりしている部屋でないかぎり、ある程度隣の音は聞こえますので、部屋の使い方には従ったほうが良いでしょう。
そして、床。床にはおおむね2種類あります。歩く音がドカドカと下に抜けて響く、薄い板張りのような感じのする床と、足を踏み鳴らしたくらいでは響かないような、厚い感じのする床です。部屋で走る動物を飼っている方、お子さんの居る家庭、夜型の家庭、静かな環境を求める方、DVDを見ながらフィットネスをしたい方などは、厚い床だと安心できます。
ベランダは必ず開けて出てみましょう。隣の建物が近すぎないか、陽射しはどれくらい確保できるのか、プライバシーは守れるか、垣間見えるお隣はどんな人か。
また、こんないい部屋に住んでいたのに、前住んでいた人はどこへ行かれたんですか?どんな方だったんですか? などという話し方で不動産屋さんにさりげなく前の人のことを聞いておくと、気分的に安心できます。
お風呂場にも見る点はあります。浴槽の大きさ、洗濯機は中に置けるのかベランダになるのか。ドライヤー用のコンセントはあるか。
オートロック、ガスヒーター用の栓、インターホン、管理室の有無、来客用の駐車スペース。近所の雰囲気。
このようなことを見ておけば、最後にどの部屋にするか迷ったときに、手助けとなります。
-------------------------------------------
これで、ひととおり内覧まで終えました。あなたは、お店の人に、「こことここの部屋がいいなあって候補に思っています。ハッキリとこちらにしたいと決めたら、すぐにご連絡します」と告げて、いいなと思った部屋は、間取り図のコピーをしてもらい、次の不動産屋に向かいます。同様にして不動産屋をいくつか見てまわり、それぞれでいいなと思う部屋を絞り込み、最後に希望の部屋を決定するのがいいです。
しかし、この段階では「部屋を押さえた」ことにならないことは承知しておいてください。他の人が「すぐにでも契約したい」と言えばそちらに決まってしまう状態です。しかし、そのリスクをとっても丸一日くらいは、できるだけ沢山の部屋を見て、その中から選ぶほうがいいと思います。私の経験でも、これだと思う部屋は一日の最後の方に現れることが多いです。
どうしても誰にもとられたくない部屋を見つけた!この部屋に決めた! となれば、証拠金をいくらか入れて、正式にその部屋をキープすることになります。証拠金は、千円でも二千円でも、というお店が多いと思いますが、何万円と言われることもあります。契約費用に充当されますので余計な出費ではありませんから、反抗したりせずに、これだと決めた物件には素直に証拠金を入れましょう。お金を入れる行為は、この部屋を契約しますという宣言ですので、万が一自分のほうからキャンセルする場合は戻ってきませんのでご注意を。
何度も部屋探しを経験し、慣れている私でも、物件探しに行く前日は不安でいっぱいです。
いい部屋見つかるかな。ちゃんと見つかるかなぁという期待と不安です。でもたいていは最後のほうで、理想にとても近いかそれより素敵な物件が現れて、コレにしよう! となると思います。そのときの嬉しさが、物件探しの醍醐味です。
このように、物件を内覧するのは、チェックするポイントが多いです。できるだけ、一緒に住むことになる家族か、信頼できる友人や引越しに慣れている知人など、2人で行ったほうがいいと思います。不必要に3人以上で行くのは、気が散るし、車で案内してくれることが多い不動産屋さんには迷惑になりますのでやめましょう。